古川桜 磁展 3

今回の案内状のうつわは、貼り合わせのうつわでした。
板状にのばした土を切り取り、貼り合わせているので土同士の重なりやロクロのお仕事にはない土の表情がたのしいうつわです。
こちらの貼り合わせ長方鉢は貼り合わせ部分を指で押さえて意匠にされています。ボディを成形した後、まずは素焼きをします。素焼き後、呉須の絵付けをしその後焼成します。マットなサーモンピンク部分は、上絵の赤を薄く塗って出されています。上絵は呉須の下絵と温度帯が異なるため、3度目の焼成を重ねます。貼り合わせの大きなうつわを作られた後に、こぶりな貼り合わせのうつわも作られました。つなぎ目部分に貼り付けた土は、上絵の赤を塗り焼成されています。アクセントにところどころ銀彩も施されています。
銀彩部分はシルバーのアクセサリーのように少しずつ酸化して黒ずんでいきます。それもまた味わいとしてお使いいただくもよし、元のままがよろしいようでしたら、プラスチック消しゴムで優しくこすると酸化部分を落とすことができます。こちらの丸碗は、ぜんざいが食べたいと作られたかたちです。
にゅう麺やこどんぶりのようにもお使いいただけます。
マットな部分はロウを塗り釉薬をはじき、素焼き後、施釉し再度焼成の後、上絵の赤を塗り焼成されています。マットな部分が手掛かりにもなります。
古川桜　磁展は、28日（月）17時までの開催です。