今回の中野悟朗さんの個展では、ワークショップも開催しています。
案内状では、6月9日(火)の日程でしたがお申し込みを多数いただいたので、急遽8日(月)
にもワークショップを増やしました。
第1回目のワークショップの様子です。
天気予報は、夕方から雷。お天気が心配されましたが、SHIZENの外のテーブルを
囲んで、開始。18時から20時までの予定のワークショップです。
段々暗くなってきますが、視覚に頼らず手の感覚で作品作りをするという試みです。
お申し込みをいただいたときに、中野さんからの宿題がありました。
「心をあらわすオリジナルの文字を考えてきてください。」
まず初めに、考えてきていただいた文字をノートに形にします。



参加されたなかの一人の方のスケッチです。
お仕事が忙しいので、いろんなものに触れたい!こころを形にされたいと。

文字が形になったら、中野さんが用意してきてくださった丸い木の板に、文字を描きます。
これと思う線が描けるまで、線は描いたほうがよいそうです。
適当な線でつくりはじめると、適当な出来上がりになるのだそう。なるほど。。。

中野さんがご用意くださったのは、京都の童仙坊という地域でとれる土です。
器を焼くときに、くっつかないように間にかませる土で、道具土です。
大学生のとき、窯からでてくる作品より童仙坊の土に興味をひかれていたという中野さん。
童仙坊の土の触感が、とても心地よいのだそうです。
今回、出品してくださったcocoro、pocketのシリーズは、童仙坊の土で作られています。
工房から送ってくださった土を用意してくださる中野さん。

板に書いた線に、土で作ったひもを重ねていきます。
一段積んだら、もう一枚の板を乗せひっくり返してまたもう一段積んでいきます。
最初に板に乗せたひもは、最後には一番真ん中になります。
表と裏ができない作り方です。どちらから見ても、きれいなかたちができるように。
cocoroやpocketも同じ作り方で作られています。
積んだところは、こまめにならします。最後にまとめてならそうとすると、なかなかきれいに
ならないそうです。
ひもづくりの作業は、地道な根気のいる作業。集中するので、身体を使った疲れとまた
違う疲れ方をするのだそうです。


創るすがた、みているだけでもわくわくします。



出来上がった作品です。中野さんが焼いてくださり、それぞれの方へお送りします。
行いがよいからか雷が鳴ることなく、ワークショップは終了しました。

ひもづくりの作品は、成型した翌日が大切。
ワークショップの翌日、ご参加いただいたみなさんの作品を中野さんがそっと手を
入れてくださいました。



創ることを見て、手はやはりすごい道具だと思いました。
触れて、感じてどうするか決める。手が考えているようです。
(T)